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ところが『使い魔』四葉、その事で今、ちょっと困った事になっている。
前みたいに平常心でカチョーのお世話が出来なくなってしまったのだ。
朝、起こしに行く時なんかが代表的で、顔が熱くなってしまい、いっつも半裸で寝てる課長のお姿を正視できない。
仕方なくホウキの柄でツツいていたら、ようやく目覚めた王子様、
もとい、とんでもなく不機嫌な課長に凄まれた。
『四葉ぁ~、テメエ。
朝っぱらから何のつもりだ』
マッサージをする時もだ。
ハダカのカチョーを意識しすぎ、気がつけば頸動脈あたりをギュウウッと抑えて、気絶させてしまっていた。
会社でも。
こないだ課長に肩を叩かれた時、
「ひゃいっ!」
と上ずった声を上げ、本人はおろか、先輩方にまでヘンな目で見られてしまう始末。
このままでは着実に、元のシモベに降格されてしまうだろう。
思うに。
あの日あった出来事は、私には刺激が強すぎたんだ。
ただでさえ美声・美形・美スタイル、3拍子そろったあのお方は、その上にリッチなお金持ち、遊び馴れした経験で、熟成した大人の色気を振り撒きまくっている。
いつもは冷酷かつ居丈高な癖に、そんなお人に急に優しくされてですよ?
ただでさえ男性免疫不全の私が、毒気に当てられないはずないじゃないか!
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