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ウフフフフッ…
妖艶な(つもりの)笑みを浮かべ、片脚を高く組み替えて、セクシーポーズを決めてみた。
ピッチピチの白いオハダに、スラリと伸びた細めの脚。
これだけなら、古代ローマの美女、クレオパトラもかくや、ジュリアス・シーザーにだってイけそうだ。
藤城課長だって、
コレ見たら平常心ではいられないでしょ。
「なんちゃって」
うおっ、私ってば。
また課長に思考が戻っちゃったじゃないか!
私は慌てて脚を戻すと、バチャバチャと湯面を叩いて邪念を払おうとした。
その時______
あれ、誰か……いる?
ふと、脱衣室に人の気配を感じた。
おかしいな…
家人がみんなお風呂を済ませたのは、ちゃんと確認したつもりだが。
さっき見たら、課長は自室に籠っていたし、レイカ嬢もどこかへ出掛けていった筈。
そっと耳を傾けると、確かにパサリ、パサリと衣擦れの音がしている。
私は、わざとバシャバシャ水音を立てて『入ってますヨ』のアピールをした。
しかし、相手は気付く様子もなく、一向に出ていく気配はない。
それどころか、今度はカチャカチャとベルトを外している音が聞こえてきた。
「すいませ~ん、入ってますよ~」
少し恥ずかしいが、呼び掛けてみる。
が……
相手はとうとう、バスルームのドアノブを回し始めた。
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