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「……い、おーい、大丈夫か?」
ペチペチと、頬を叩かれ、私はぼうっと目を覚ました。
…はれ?おかしいな…
ボンヤリとした輪郭で、見下ろすお顔が二重に見える。
目を擦ると、やっと辺りが鮮明に見えた。
そうだ。はっきりと覚えている。私はオフロでショッキングな映像を目撃し、逆上せて倒れたんだ。
だから、ここはおそらく脱衣室で、私を覗き込んでいるのは藤城課長。
そこまでは分かる。だが…
今の景色には大きな間違いが一つある。
カチョーが、カチョーが……
2人いる!
ガバッと起き上がり、私は叫んだ。
「カ、カチョー、タスケて下さい!
考えすぎて、とうとうアナタが2人見えるようになってしまいました!」
途端にカチョーの1人が、大慌てでそこいらに散ったバスタオルで私を埋め尽くした。
「バカかお前はっ、まずは自分のスガタを見ろ!」
「え?……キャー、キャー」
スッパダカだ!
私は、手当たり次第に周りに散ったタオルを取ると、10枚くらい巻きつけた。
どうやら倒れてからの時間はあまりたっていないらしい。
ってコトはつまり……
「あ…あのぅ…誰かが私をここまで?」
目を逸らし、ゴホンと咳払いした藤城課長。
や、やっぱりぃ~~!?
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