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なぜベルウェザーのギルド員がここまでプレイヤー達のクエストに加担してくるのか、その真意が掴めない。 わざわざギルド員をこんな場所に派遣して、全くといっていいほど利益のない監視、指揮、まとめ役をさせる理由が分からなかった。 ここにいるプレイヤー達に早く強くなってもらって、ギルド員に勧誘し、ギルドの強化を図ろうとしているのか…何かの調査、もしくは必要な情報取りをしなければならないのか… とにかく、まずは目の前の攻略を無事に終わらせることに集中しようと、手に持った攻略書に再度目を向ける。 「ハヅキ、ここのボスって…」 攻略書に目を向けた様子を見て、ユウナがハヅキに声をかけた。 「ん、どうかし…」 「俺はごめんだぜ!!!」 ユウナの指差す攻略書を見ようと顔を向けたとき、扉の前から大きな声が聞こえてきた。 「何が協力だ!何が攻略書だ!!俺達はなぁ、あんなやつらの手駒じゃないんだよ!!!」 扉の前には三人の男が立っていた。大きな声を出しているのは、真ん中に立ち、ローブを身に纏った人相の悪い男であった。両脇に立つ二人の男も、どちらかというと悪人の様な面構えである。 「お前らはそれでいいのか!?ベルウェザーだかなんだか知らないが黙っておめおめと言いなりになりやがって、そんなんでいいのかよ!!!」 その場に並んでいるプレイヤー達は、彼らのいうことをあまり真に受けなかった。それだけ、攻略書というものは良くできていたし、このクエストも早くクリアしたいという気持ちが強かった。 プレイヤー達の素っ気ない反応を見て彼らはつまらない顔をするだろう、と、ハヅキはそう思っていた。しかし、三人の男達はにやりと不適な笑みを浮かべ、キッヒッヒと笑っている。 「まぁいい。お前らがどうしようがお前らの勝手だ。俺達は俺達で好きにやらせてもらうぜ」 真ん中の男がそう言うと、三人はそのまま後ろを向き、扉の奥の部屋へと入っていく。
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