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ーーー次の日の朝 二人は目的地へ向かう前に、町の商業施設が立ち並ぶ中央地区で、出発の準備をしていた。 「ハヅキ!シルバー系の武器、装備可能レベルに達してるよ!」 「ほんとだ!ん…でもやっぱり高いな……」 ユウナの言うシルバー系の武器とは、NPCが商いを行う武器屋に売っている武器であり、装備条件が『プレイヤーレベル15以上』と、レベル条件のみのため比較的手を出しやすい武器のシリーズである。 しかし、NPCの売るアイテムはあまり特徴は無く、汎用的であり、値段も少し張る。 経験をこれから積んでいけば、 ・モンスターからのドロップ ・宝箱での入手 ・プレイヤー同士の取引 ・クラフト系の職業からの買いつけ など、様々な方法でアイテムを手に入れることは出来る。 が、まだまだそんなことを出来るプレイヤーは少ない。そのため、大体の者はNPCのショップで買い物をしていた。 「これお願いします!」 値段に頭を悩ませるハヅキの横で、なんの躊躇も無く隣の少女は銀色に輝くダガーを手に取った。 「えっ…!?」 彼も慌てて目の前の銀色に輝く剣を手に取った。 「すみません、僕はこれお願いします…!」 これから行く場所は初めてのダンジョンとなるのに、武器の購入を渋っていては意味がない。 というよりも、ユウナがこうもあっさりと購入しているのに、お金を渋って迷っているなんて姿見せられなかった。 二人は購入した武器を早速装備し、身につける。シンプルな銀色のフォルムが、装備者の味気ない服にアクセントを加えた。 少し大きな出費にはなってしまったが、新しい武器を買うと、なんとも言えない満足感に浸る。 余ったGILは他の消費アイテムに当て、準備を終えた二人は西門へと向かった。 「わ…すごいね」 ユウナは思わず声を漏らした。二人は人混みを抜け西門へとたどり着いたが、そこでもたくさんのプレイヤーが集まっていた。 パーティの募集、進め方の打ち合わせ、道具の照らし合わせ…など、様々なプレイヤー達が準備を進めていた。多分、彼らの行き先も自分達と同じであろうと思われる。 「ここ数日の中で一番人が多いかもね…」 二人がそのまま門を通り越そうとすると、目の前に二人の男が立ちふさがった。
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