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「ねぇ、君たち!良かったら俺たちとパーティ組まない?」
一人は片手剣を腰に携え、もう一人は大きな斧を背中に背負っている。見たところ彼らもハヅキ達と同様、2人組のパーティ。パーティを組めば理想の人数の4人になる。
「あ…えーっと、その…」
ハヅキは答えに口詰まりながらユウナの方へ目を向けた。彼女もハヅキと目を合わせ、困った表情を浮かべている。
二人が戸惑い返答に困っている内に、横から二人の女性が割り込んだ。
「すみません、私達とパーティ組んでもらえませんか?」
「え!いいの!?」
「ええ、見たところお二人は前衛職のようですし、私達は後衛二人なので…ちょうどいいかなと思いまして」
「ぜひぜひ!!!よろしく頼むよ!!!」
少しのやり取りと共にあっという間に目の前のプレイヤー達はパーティを組み、目の前から立ち去っていった。
ハヅキとユウナは呆気にとられながらも止まった足を再び動かし始める。
「ごめん、せっかくの機会を…」
「んーん、こちらこそごめんね…!」
ハヅキとユウナがパーティを組んでから2週間、彼らは一度も他のプレイヤーとパーティを組んでいなかった。
パーティを組むなら、最大人数の4人で組む方が効率的で、圧倒的に楽に戦闘を行うことができることは彼らも十分に分かっていた。
しかし、それでも一歩踏み出せない自分がいた。特にハヅキは人と話すことがもともと得意なわけでは無かったし、それが初対面の人となれば尚更だった。
町に行けばパーティを募集しているプレイヤーは多くいる。それこそ、リーネスタルトの様な大きな町であれば数えきれないほどである。
しかし、自ら話しかけて知らない人間をパーティに誘うなんてことはいざ知らず、誘われてもなかなか良い返事を返せず、先程のように他のプレイヤー同士がパーティを組んでしまう。そんなことを繰り返し、今に至っていた。
「でも、なんだかんだ二人でここまでこれたし、私はこのまま二人のままでもいいかな、って思ったり…なんてね」
「えっ……?」
今言ったことが冗談半分か、本気なのかは分からないが、ユウナはふふっと笑っていた。
ハヅキは思わず顔を手で覆いながら、ほころぶ表情を隠しながら足を進めた。
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