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結局のところ、何を考えても始まらないし、分かったところで自分達のやることは変わらない。
「ま、あまり気にしなくていいと思うんだけどね」
ハヅキは頭のどこかに引っ掛かりを持ちながらも、考えすぎもよくないと顔を上げる。
その時、ハヅキは思わず驚き足を止めた。その隣のユウナも彼の視線の方向に目を向ける。
「こんなに………!?」
二人の視線の先には、何十人ものプレイヤーの列ができていた。ジグザグに繋がる長蛇の列の先には大きな扉があり、そこが最終地点だと思われる。
そこら中で戦闘が繰り広げられていたため、モンスターと遭遇することもなく、いつの間にか最奥にたどり着いてしまっていたらしい。
ダンジョン攻略でもなんでもない、ただの洞窟散歩の様な形になってしまった。
落胆する気持ちと、目の前の異様な光景に二人が戸惑っていると、列の一番後ろに並んでいる体格のいい戦士の格好をした男性プレイヤーが声をかけてきた。
「やぁ、君達も職業クエストが目当てだね?いやー、お互い災難だなぁ。今日はどうやらクエスト受注者が一番多い日みたいなんだ」
「そうなんですか…?」
戦士の男にハヅキが返事を返す。
「うむ。なんでも、順当に行くと15レベルを越えるのが大体2週間程度。そしてプレイヤーの中でも一番数の多いのが2ヶ月組らしくてな。ちょうど昨日辺りから職業クエストの攻略プレイヤー数が激増しているみたいなんだ」
戦士の男が扉の方へ目を向ける。彼の視線の先には1人のプレイヤーが立っていた。
「あれが見えるかい?」
二人は男に視線を誘導され見てみると、そのプレイヤーは何やら紙を配りながら、並ぶ人々に声をかけているように見える。よく見ると、身につけるマントには見覚えのある紋章が刻まれている。
「まさか…」
「そう、ベルウェザーの人間だ。ここに来る途中にも何人か見ただろ?あいつら、何を考えてるのか知らんが、監視されているようで気分が悪い…!」
男はちっ、と舌打ちをしながら再び体を列へ向ける。二人はそのベルウェザーの人間の動向をしばらくうかがっていたが、順々に並んでいるプレイヤーに声をかけ何か作業を行っているようで、次第に最後尾まで近づいてきた。
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