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「あなた達の職業は何ですか?」
大きな紋章のついたマントを身につけた青年は、最後尾の方にいる者達に向かって大きく声をかける。
そこにいた者は渋々と自分達の職業を告げていった。ハヅキとユウナの二人も、最後に自分達の職業を告げる。
「ではあなた達はここのグループの列へ、そこのあなた達は…」
青年はきびきびとした動きで次々に列に並ぶプレイヤー達を並び替え、グループに分けていった。
グループ毎に分けられた列は6列ほどに横並びになり、最奥の部屋へと入る順番を割り振られる。
二人も言われるがままに誘導され、扉の方向を向いて右から5番目の列、先頭へと配置された。割り振られた順番的に言えば、5番目にボス部屋へと入るグループである。
二人とも、なぜこんなことをされているのか全く分からなかったが、配布された資料を見てようやく理解した。
資料の表紙には『聖印奪還クエスト:ボス攻略』と書かれており、軽く目を通すと、『エリアエンカウント』という文字が目に入った。
資料によると、エリアエンカウントでは普段の戦闘とは違い、決められた人数での戦闘になるらしい。
奥に見える扉の部屋には10人まで入ることができ、入った10人でボス戦を行うことになっている。
そのため、ベルウェザーの青年は10人のメンバーを組み合わせ、前衛と後衛のバランスの取れたグループを作っていると考えられる。
「皆さん!この資料に目を通しておいてください!!ほとんどの方々が初めてのボス戦になるとは思いますが……」
ベルウェザーの青年が大きな声で説明をしていると、並んでいる何人かのプレイヤー達が声を荒げた。
「ふざけんじゃねぇ!なんでてめぇなんかに指図されねぇとなんねぇんだよ!!」
「さっきから大人しく聞いていれば…俺達はお前らの駒じゃねぇんだよ!!」
数名の不満の声と共に、
「そうだそうだ!」
「ふざけんな!!」
などと半数ほどのプレイヤー達も不満を露にし、ヤジを飛ばす。
それもそのはずである。まるでアトラクションの列に並ぶかのような待ち時間、勝手に指導されグループを作らされ、プレイヤー達のストレスも相当溜まっていた。
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