2490人が本棚に入れています
本棚に追加
/418ページ
そして今週。というか今日。さっき。
長かった一日の授業を終えて、一人で駅に向かっていた途中。
今回は道の途中で呼び止められた。振り返ると堀口さんが走ってきた。可愛らしく。
頑張ってこっちまで駆けてくる子を置き去りにする訳にもいかず、しばし待ち、駅まで一緒に歩いて、その別れ際、これまでとは違った質問をされた。
「藤波くん、付き合ってる子いる……?」
ここまではずっとどうでもいいような話題ばかり持ち掛けられた。
好きな食べ物とか、犬派か猫派かとか。どの教科担当の先生が厳しいとか。次のテストしんどいとか。
だがこの日は少々毛色が違った。
付き合ってる子。ちょっと、踏み込まれたような。
「……なんで」
「え。えっと……」
「……いないよ」
引き延ばしたくなかった。電車が来る前に話を終わらせたい。
だから正直に答えたら、そのあとだ。告られた。
ついさっき人生で初めて、女の子に告白された。
最初のコメントを投稿しよう!