戻ってきた黒傘

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 そして今週。というか今日。さっき。  長かった一日の授業を終えて、一人で駅に向かっていた途中。  今回は道の途中で呼び止められた。振り返ると堀口さんが走ってきた。可愛らしく。  頑張ってこっちまで駆けてくる子を置き去りにする訳にもいかず、しばし待ち、駅まで一緒に歩いて、その別れ際、これまでとは違った質問をされた。 「藤波くん、付き合ってる子いる……?」  ここまではずっとどうでもいいような話題ばかり持ち掛けられた。  好きな食べ物とか、犬派か猫派かとか。どの教科担当の先生が厳しいとか。次のテストしんどいとか。  だがこの日は少々毛色が違った。  付き合ってる子。ちょっと、踏み込まれたような。 「……なんで」 「え。えっと……」 「……いないよ」  引き延ばしたくなかった。電車が来る前に話を終わらせたい。  だから正直に答えたら、そのあとだ。告られた。  ついさっき人生で初めて、女の子に告白された。
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