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「涼太は相変わらず染めないんだね」
ずっと変わらない涼太の黒髪。
優子は染めてほしいと言うけど、黒髪は色黒の涼太に似合っていて、あたしは好きだ。
「俺はいいのー。にしてもまた菜月と優子と、こんな風に話せる日が来るなんて感動!」
「そのセリフ聞き飽きたってば」
「だってそうだろ?俺あの時二度と、会えないと思ってたし」
「大袈裟な。たかが、隣の隣街くらいじゃ会えないわけないでしょ」
そう…
あたし達は同じ幼稚園で、もちろん小中と同じだった。
でも中学2年の途中、涼太は突然電車で4駅先の少し遠い街に引越してしまった。
理由は両親の離婚。
父親に引き取られた涼太は、お父さんの地元でもある4駅先の街に戻ってしまったのだ。
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