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「あー。タナカさんかぁ。懐かしいな。すげー久しぶり」
アキちゃんがそう言うと、涼太が思い出したように笑顔でアキちゃんに話しかける。
そんな涼太を見て、アキちゃんの頬が赤くなったのをあたしは見逃さなかった…
「嬉しい…覚えててくれたんだ」
「もちろん!俺が前の街を出る時、最後に会ったのはタナカさんだった」
そうなんだ…
初めて知った。
涼太が最後にあの街で会ったのは、アキちゃんだったんだ…
久しぶりの再会に盛り上がる二人───
嬉しそうに話すアキちゃんと、楽しそうな涼太の横顔に胸が締め付けられた。
アキちゃん…涼太のこと…
そう思っていると
「アキここにいたのか。何してんだよ」
同じ制服を着た、数人の男女がアキちゃんを呼びに来た。
全員見たことないけど上級生かな?
「あっ弘樹。じゃ、桜井さん、橘さん、三浦くんバイバーイ」
仲間が呼びに来ると、その中の1人と男と腕を組み手を振りその場を去って行った。
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