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「受け取って」
笑顔のままの男の子の手から、コスモスを受け取ろうとした瞬間
───ブチッ
男の子が持っていたコスモスを、二つに引き裂いた。
「えっ…」
地面にパラパラと落ちたコスモスの花びらを見ていると
「菜月」
今度は低い声で男の子はあたしを呼ぶ。
慌てて地面から男の子に視線を戻すと、笑顔だった男の子はあたしを睨んでいた。
「何…」
「俺は菜月のことなんか全く好きじゃねーんだよ!!」
そう叫ばれた後
ピピピピッピピピピッ───
突然男の子の持っていた腕時計がうるさい音を立てて鳴り響いた。
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