第1章~再会~

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「菜月。ホラ」 「ありがとう」 お昼休み 朝の競争のビリはあたし。 ビリがジュースをおごると言っていたのに、結局涼太がおごってくれた。 「しかしあれだな。お前ら後姿ソックリでどっちがどっちかわかんねーよ」 いつもお昼を食べている中庭に向かう途中、涼太の前を並んで歩くあたし達を見て言った。 「だってお揃いにしたんだもん」 「ねー」 「ホントにお前ら仲良いんだな」 この高校は制服が可愛い上に、ある程度なら染髪OK。 校則が緩い所も自慢。 だから入学式の前日に、薬局で購入したカラーリングで、お互いの髪を染めあい同じ色にした。 身長も髪の長さも、胸ぐらいと変わらないあたし達は、周りから見ると見分けがつかないようだ。
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