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「菜月。ホラ」
「ありがとう」
お昼休み
朝の競争のビリはあたし。
ビリがジュースをおごると言っていたのに、結局涼太がおごってくれた。
「しかしあれだな。お前ら後姿ソックリでどっちがどっちかわかんねーよ」
いつもお昼を食べている中庭に向かう途中、涼太の前を並んで歩くあたし達を見て言った。
「だってお揃いにしたんだもん」
「ねー」
「ホントにお前ら仲良いんだな」
この高校は制服が可愛い上に、ある程度なら染髪OK。
校則が緩い所も自慢。
だから入学式の前日に、薬局で購入したカラーリングで、お互いの髪を染めあい同じ色にした。
身長も髪の長さも、胸ぐらいと変わらないあたし達は、周りから見ると見分けがつかないようだ。
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