4月24日(日)午前11時36分

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「あ、一つ言っておく事が有る・・・。  俺様の正体は誰にも言うなよ!  特に・・・、大学内ではな!  我々は秘密結社のメンバーなのだからな。  秘密結社の秘匿性を守らなければ・・・、  意味が無いからな。  軽々しく人に話すなよ!」 「誰がそんな事を・・・、  あ!判った・・・、  アンタ、私をしつこく幹部に誘ってたのは、  口止めする為だったのね!」 「な、何を言い出すのだ!  言っただろ!  お前の能力を評価してのスカウトだと!」 「守屋鏡司って、  こんなイタイ事やってんですよ~!  ってバラされたく無いからでしょ?」 「あ!」 守屋はそう言って前方を指差す。 「え、何?」 「あのバス停の前の青い建物がサイクロンハイツだ。」 前方に青色・・・、と言うよりは水色っぽい、 3階建てのアパートが見えた。 バス停のポールには『亀印雷田』と表記されている。 バス停の前とは・・・、家賃高いのかな? との思いが一瞬頭をよぎった。 しかし建ってから結構な年数が経っているようで、 元々は青色だった外壁も経年劣化のせいで薄く成り、 現在は水色のように見えているのだった・・・。 家賃は安いんだろうな・・・。 そこの階段を上り、 「着いたぞ、ここだ。」 と言って守屋は呼び鈴を押した。 部屋番号『201』の下に『東木』の表札が有った。 「ヒガシギ・・・?」 あれ?何か聴いた事有ったような・・・。 「東木がどうかしたか?」 「ん?いや・・・、別に何でも無い。」 まぁ、その内思い出すでしょ。 カチャ。 と鍵の開く音がして、ドアが開く・・・。 合い言葉とか有るのかと思ってたが・・・、 流石にそこまでは無いか~。 「鏡司さん、お帰りなさい。」 中からヒラヒラのゴスロリのメイド服を着た美少女が、 お出迎えしてくれた。 ここはメイド喫茶か! 「出迎え御苦労!」 守屋がそのまま中に入って行く・・・。 ちょっと待て!先に私を入れろ! 入り辛いだろ! ・・・と、心の中で抗議した。 「あ、クライアントの方ですか?」 メイドさんに聴かれ・・・、 「いや・・・、違うんですけど・・・。」 何故かドギマギする私・・・。 メイドさんは不思議そうに私を見て、 何かに気付いたように笑顔に成る。
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