4月24日(日)午前11時36分

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摩子が手招きして私を呼んでる。 「あ、そう言えば凛斗、  この前、詩夜璃に自己紹介して無かったわね。」 先輩はタナトス君の方を向いて言った。 それを聴いたタナトス君は立ち上がり、 「あ、あ・・・あの、  東木・・・、り、凛斗です・・・。」 と、ものすごく緊張した様子で挨拶してくれた。 「この前はありがとう。  九条詩夜璃です、よろしくね!」 私はそう言って一礼し、ニコリと笑った。 「あ・・・、どうも・・・。」 と、凛斗は照れたように笑い、 急いで私に背を向けて、 キーボードを操作しだした。 人見知りが激しい子なのかな? 私が摩子の隣に腰を降ろすと、 「では、これより緊急幹部会を執り行う!」 ソファーから立ち上がった守屋が偉そうに言う。 「と、その前に、幹部諸君に通達する、  この女は新幹部の九条詩夜璃・・・、  幹部名はアイリーンだ。」 守屋が私を紹介してくれたようだが、 ・・・一言余計だ。 「アイーン?」 「アイリーンだ!」 「幹部名とか要らないんだけど・・・。」 「大丈夫よ、鏡司君しか使って無いから。」 「いや、使えよお前ら・・・。」 「それより守屋~、  何で軽倉君だけ女誑しのマサって、  時代劇みたいな名前なの?」 「そんな事はどうでも良いだろ?」 「他の皆は神話とかなのに、  軽倉君だけ時代劇って・・・、イジメじゃん。」 「九条さん・・・、ありがとうございます!  そうですよ!イジメですよ、イ・ジ・メ!」 「アイリーン貴様・・・、邪魔しに来たのか?  良いだろう・・・、教えてやる。  何故、軽倉正人が女誑しのマサなのかをな。」 「教えてもらおうじゃないの。」 「正人のアドレス帳にはな、  女のアドレスだけで100人越えているのだ!  これを女誑しと呼ばずして何と呼ぶ?」 「ふ~ん、つまり非モテのやっかみなのね。」 「非モテでは無い!  俺はシュール・クライムによる、  新世界の創造を成し遂げなければならんのでな、  女などにかまけている暇は無いのだ!」 「さて・・・、非モテは放っといて、  軽倉君の幹部名とやらを考えますか。」 「九条さん・・・、ありがとうございます!」 正人は瞳を潤ませて、神に祈りを捧げるように、 胸の前で手を組み言った。 仕草がいちいち可愛いい。 「俺が付けた幹部名に何故ケチを付けるのだ!」 「変だからよ!」 皆もウンウンと頷いている。
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