4月24日(日)午前11時36分

13/14
前へ
/37ページ
次へ
「ふん!  ならば多数決で決めようではないか・・・。  さっさと新しい幹部名を決めるが良い!」 守屋がそう言って腕を組みそっぽを向いた。 「軽倉君、何か希望有る?」 「特に無いんですけど・・・、  何か良いの無いですかね?」 先輩が思い起こすように、 「そうね~、  神話の美少年だとナルキッソスが有名よね。」 と言った。 「ナルキッソスですか~、  知らないなぁ、何ですかその人?」 正人はアゴに人差し指を当てて、 視線を上に向けて言った。 うん・・・、仕草が女の子過ぎる・・・。 「ナルシストの語源とも言われている、  ギリシャ神話に登場する美少年よ。  逸話では泉に写る自分の姿に恋をしてしまって、  その泉から離れる事も出来なくなるほど魅了されて、  ・・・衰弱死してしまったの。」 正人はそれを聴き、 「何か・・・、嫌ですね・・・。  他には誰か居ませんか?」 目を伏せて言った。 「後はそうねぇ・・・、  アドニスかガニュメデスかな?」 「アドニスが言いやすいですね!  アドニス希望で!」 正人は目を輝かせて言った。 「じゃあ、アドニスで決まりね!」 私がそう言うと、 「待て、・・・多数決で決めると言ったはずだ。」 と、守屋が横から口を挟む。 「めんどくさいわね~!  じゃあ賛成の人、手を挙げて~!」 と言いながら私は手を挙げた。 「ハイ!」 摩子が元気良く手を挙げたのに続き、 「ハイ!」 と正人も手を挙げた。 先輩は無言で手を挙げていた。 「フッ!4票だな・・・、では俺の勝ちだ!」 「はぁ?何でよ~!」 「お前達幹部が1票なら、大首領である俺様は5票だ!  従って、5対4で俺様の勝ちだ!  フフフ、ヒヒヒ、ヒャハハハ~ッ!」 守屋が勝ち誇るように、例の変な笑い声を発する。 「じゃあ、僕は大幹部だから3票ってとこだね。  7対5でアドニスに決まりだね!」 と凛斗が振り返って言った。 「な、なん・・・、だと・・・?」 守屋が呆然と凛斗を見る。 「鏡ちゃんがそう言うと思って黙ってたんだ。  俺の票は15票だ!  ・・・とか言われなくて良かったよ。」 「凛斗~、グッジョブ!」 正人が凛斗に向かって親指を立てた。 「甘いぞタナトス!  俺にはまだシヴァが居るからな!」 「龍ちゃんが鏡ちゃんに付くかな?」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加