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「ふん!
ならば多数決で決めようではないか・・・。
さっさと新しい幹部名を決めるが良い!」
守屋がそう言って腕を組みそっぽを向いた。
「軽倉君、何か希望有る?」
「特に無いんですけど・・・、
何か良いの無いですかね?」
先輩が思い起こすように、
「そうね~、
神話の美少年だとナルキッソスが有名よね。」
と言った。
「ナルキッソスですか~、
知らないなぁ、何ですかその人?」
正人はアゴに人差し指を当てて、
視線を上に向けて言った。
うん・・・、仕草が女の子過ぎる・・・。
「ナルシストの語源とも言われている、
ギリシャ神話に登場する美少年よ。
逸話では泉に写る自分の姿に恋をしてしまって、
その泉から離れる事も出来なくなるほど魅了されて、
・・・衰弱死してしまったの。」
正人はそれを聴き、
「何か・・・、嫌ですね・・・。
他には誰か居ませんか?」
目を伏せて言った。
「後はそうねぇ・・・、
アドニスかガニュメデスかな?」
「アドニスが言いやすいですね!
アドニス希望で!」
正人は目を輝かせて言った。
「じゃあ、アドニスで決まりね!」
私がそう言うと、
「待て、・・・多数決で決めると言ったはずだ。」
と、守屋が横から口を挟む。
「めんどくさいわね~!
じゃあ賛成の人、手を挙げて~!」
と言いながら私は手を挙げた。
「ハイ!」
摩子が元気良く手を挙げたのに続き、
「ハイ!」
と正人も手を挙げた。
先輩は無言で手を挙げていた。
「フッ!4票だな・・・、では俺の勝ちだ!」
「はぁ?何でよ~!」
「お前達幹部が1票なら、大首領である俺様は5票だ!
従って、5対4で俺様の勝ちだ!
フフフ、ヒヒヒ、ヒャハハハ~ッ!」
守屋が勝ち誇るように、例の変な笑い声を発する。
「じゃあ、僕は大幹部だから3票ってとこだね。
7対5でアドニスに決まりだね!」
と凛斗が振り返って言った。
「な、なん・・・、だと・・・?」
守屋が呆然と凛斗を見る。
「鏡ちゃんがそう言うと思って黙ってたんだ。
俺の票は15票だ!
・・・とか言われなくて良かったよ。」
「凛斗~、グッジョブ!」
正人が凛斗に向かって親指を立てた。
「甘いぞタナトス!
俺にはまだシヴァが居るからな!」
「龍ちゃんが鏡ちゃんに付くかな?」
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