4月24日(日)午前11時36分

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事の起こりは日曜のお昼少し前。 護蓮寺屋の前で、 守屋とバッタリ鉢合わせした事だった。 「あっ・・・。」 「・・・ん?」 お互いに目が合う。 私がきびすを返し立ち去ろうとしたら・・・。 「待て~い!」 ガシッ! と守屋が私の肩を掴む。 「何よ~!離してよ~!」 手を振り払う私。 「大首領である俺様に挨拶無しとは・・・。  随分と偉くなったものだな・・・。」 「はぁ~?  何でアンタになんか挨拶しなきゃなんないのよ!」 「幹部なのだから当然の事だ。」 「だから幹部とか・・・、  そんな肩書き要りません!」 「ほう・・・、殊勝な心掛けだな・・・。  戦闘員からスタートする気満々とは・・・。」 「戦隊ゴッコは勝手にやって!  私を巻き込まないで!」 「ゴッコだと?  ・・・愚かだな、空想と現実の違いも判らんとはな。」 「それ、アンタだから!」 「俺様は現実に秘密結社を運営しているのだ。  ・・・ゴッコ遊びでは無い!」 「・・・ハイハイ判りました。  ・・・じゃあね!」 これ以上付き合う気は無いので、 背を向けて立ち去ろうとしたら。 「待て~い!」 ガシッ! と肩をまた掴まれる。 「だから~、何なのよもう!」 また手を振り払う私。 「貴様・・・、  幹部なのに何故アジトに顔を出さないのだ?」 「幹部に成った覚えは無い!」 「オーディンが寂しがっているぞ。」 「摩子とはメールしてるから大丈夫。  アンタが心配する事無いわ!」 「他の幹部に顔合わせしておけ。」 「どうせ土門とタナトス君でしょ、別に良いわ!」 「タナトスの・・・、  世間一般を欺く為の名前を知りたく無いのか?」 「別に知らなくてもオッケーよ!  あの子も私になんか興味無いでしょうしね。」 「もう一人、幹部が居るのだが・・・。」 「重ねて言うわ・・・、実に興味ナッシングよ!」 「そうか・・・、それでは仕方無いな。  ウンディーネに先輩命令を発動させるとするか。」 そう言って守屋はポケットからスマホを取り出した。 「ちょっと待て!フリーズよ守屋!フリーズ!」 私は右の手のひらを前に突きだし制止する。 「お前はどこの国のポリスメンだ?」 「大体何で私を入会させようとすんのよ?」 「そんなの決まってるだろう。  ・・・お前の能力が必要だからだ!」 「私の・・・、能力?」
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