4月28日(木)午後3時59分

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「待って下さい!」 突然そう言ったのはおねーさんだった! 「正直・・・、焼却処分されて然るべき、  鳥インフルの鶏のような男なのですが・・・、  法学部に籍を置くものとして、  冤罪を見過ごす訳にまいりません。」 警察二人がおねーさんを見て言う。 「冤罪?・・・どう言う事ですか?」 「私は、  その男とその女子高生の、  後ろでずっと見てましたが・・・、  その女子高生が言っていた痴漢行為を、  見ておりません!」 ええ~っ! ちょっとおねーさん何言い出すのよ~! 「はぁ?」 「はぁ?」 警察二人がポカーンと口を開けてる・・・。 「お巡りさん・・・、私も見てました。  燻蒸駆除されるべきGのような男ですが、  痴漢してませんでしたね。」 メガねーさんまでそんな事言い出してる! 「えっと・・・、どうなってんのかな?」 オッサンの警察が、 私の顔とオタクの顔を交互に見ながら言った。 「あの~、お巡りさ~ん!」 蓮高の制服を着た女子が、 そう言いながら警察の側に行く。 「私、たまたまなんですけど~。  ホントにたまたまなんですよ、  たまたま~、  ビデオカメラが作動してたみたいで、  たまたま偶然撮れてたんですよ~!  ホントにたまたま~。」 そう言いながら、 警察にビデオカメラを差し出した。 何か・・・、嫌な予感・・・。 「ちょっと見せてもらって良いかな?」 「はい!ど~ぞ~!」 「じゃあお借りします。」 若い警察がビデオカメラを受け取って、 「えっと・・・、これが再生か。」 操作してる・・・。 「先輩出ますよ。」 オッサンの警察が、 横でビデオカメラを覗き込んでる。 「おっ、被害者の後ろ姿だな。  乗り込むところから映ってたのか・・・。」 これって・・・、ヤバイよね? 「こっちが被疑者ですね。  ほら、カバンのステッカーが同じです。」 ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ! 「二人並んでるな・・・。」 「・・・ですね。  全然動き無いですね。」 「ちょっと早送りしてくれ。」 オッサンの警察に言われて若い警察が操作してる。 今の内に逃げないと・・・! 「・・・オイ。  ・・・もう降りたぞ!」 ホントは痴漢されてないんだから~! ダッシュしようとしたら、 「逃げちゃダメよ!」 ガシッ! と、おねーさんに腕を捕まえられた! 「ヤダ~!離してよ~!  アンタ味方だって言ってたろ~!」
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