緊急幹部会議

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「それが誰なのか判らないでしょ?」 「あっ!  だから写メ送れって言ってきたんですね!」 正人が推理ドラマなどで、 あの時ああしたのはこの為だったんですね! と探偵のアシスタントなどが良くやる仕草、 手のひらをポンと叩いて言った。 「写メ送れ?」 「前に鏡司さん達に言ったんですよ。  痴漢されたって言い掛かりをつけて、  お金を取ってる女の子達が居るらしいから、  電車に乗る時は気を付けて下さいって。  そしたら、さっき鏡司さんから、  その女の子達の写メ送れってメールきたんですよ!」 「でも守屋、  軽倉君の言ってる子達が、  太刀川先生の事件の被害者と目撃者と、  同じとは限らないでしょ!」 「さっき写メを見せて確認を取ったぞ。  お前も見てただろう?」 「確認取ったって・・・、  先生は守秘義務が有るから言えないって、  言ってたじゃないのよ?」 「良く思い出してみろ、ヤツの言動を。」 私はアゴに人差し指を当てて、 あの時の太刀川弁護士の言ってた事を思い出す・・・。 『被害者だとしても・・・、  言えない。』 『違う。』 『目撃者だとしても・・・、  言えない。』 私はハッと気付く! 「被害者、違う、目撃者・・・、  言葉を使い分けてたわ!」 「そう言うことだ!  教える気が無いのなら全部の写メに対して、  『守秘義務が有るから言えない』  と言えば良いのだからな。  今頃気付くとは・・・、  全く、アイリーンらしくも無いな。」 「私はその時何にも知らないんだから、  気付く訳無いじゃない!」 「アイリーンって九条さんの事でしたっけ?」 「そうだ!これからはそう呼称するようにな!」 「呼称させんなっ!  絶対そんな名前で呼ばないでね!」 「解りました・・・、九条さん。」 「いや、お前ら使えよ・・・。」 「鏡司君・・・、  そろそろ本題に入ってくれるかな?」 「ああ、俺も本題に入りたいのだが、  アイリーンがごちゃごちゃと言ってくるもんでな。」 「アンタが変な幹部名とか使うから、  ややこしくなんのよ!  脳内変換が追い付かないわ!」 「脳内変換などするからだ!  アイリーン、オーディン、  ウンディーネ、タナトス、アドニス、  と呼びあえば良いのだ!」 守屋が一人ずつ指差ししながら言った。
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