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「そもそもアンタが幹部名だとか、
言わなきゃ済む話でしょうが!」
「愚かだなアイリーン・・・。
秘密結社とは秘匿性の高いものだ・・・、
各々のメンバーが素性を隠す為にも!
幹部名・・・、
いわゆるコードネームが必要なのだよ。」
「いやいや、誰も隠す気無いし!
隠す必要すら無いでしょ~が!」
「ええい!
あ~言えばこ~言う!
・・・うるさいヤツだな!」
「あ~言えばこ~言われないように、
話せば良いでしょ!」
「二人ともそろそろ良いかしら?
とっとと作戦とやらを聴きたいんだけど。」
「そうですね・・・、
不毛な会話で時間を浪費してちゃ無駄ですね。」
「不毛な会話とか言うな!
全く・・・、では今回の作戦を説明するぞ!
ターゲットは・・・、え~っと・・・、
アドニス、二人の氏名と経歴を公表せよ!」
「あっ、ハイ。
えっと・・・、二人は共に犀北高校の生徒で、
佐和田美香(サワダミカ)さんと、
三反田絵里(ミタンダエリ)さんですね。
どちらも僕の個人的な友達では無くてですね、
僕の友達に自慢してたらしいんです。
痴漢されたって言って男の人を捕まえれば、
慰謝料とかすぐ出すから稼げるって。」
「なるほど・・・、痴漢被害詐欺って事ね。
それで鏡司君・・・、どうするの?
さらって生爪剥いで白状させるの?」
「生爪にいつまでこだわってるのだお前は!
そんな物騒な事出来るか!」
「チッ!」
先輩が軽く舌打ちした音が聴こえた・・・。
「守屋、その二人を具体的にどうする気なのよ?」
「まぁ、ヤツらはかなり手慣れているようだし、
また同じ事をやるだろう・・・。
そこでだ!
俺とシヴァが囮となり、
ヤツらに痴漢詐欺をさせる!
そして、その痴漢が狂言だと証明して、
ヤツらに示談の為に反省文を書かせる。
俺の分と太刀川の依頼人の分のな。
そしてそれを裁判の証拠として太刀川に渡す。」
「なるほど・・・。
守屋か土門が痴漢詐欺の被害者になり、
ヤツらに痴漢詐欺をさせる。
その後、痴漢が狂言で有る事を証明するのね。」
「そう言う事だ。
俺とシヴァが佐和田を挟んで立ち、
その後ろ姿をオーディンがビデオカメラで撮影。
そのオーディンの後ろに、
アイリーン、ウンディーネ、アドニスが並び、
本物の痴漢被害が起きないようガードするのだ。」
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