4月24日(日)午前11時36分

3/14
前へ
/37ページ
次へ
「そうだ九条詩夜璃!  お前の比類無き頭脳・・・。  類い希なる判断力・・・。  そして・・・、  強大なる敵にも怯まず立ち向かう勇気!  どれを取っても素晴らしい逸材だ!  我が秘密結社シュール・クライムには、  不可欠なる存在と言えよう・・・。」 全部ホントの事だけど、 面と向かって言われると恥ずかしい・・・。 「えっ・・・、そ、そうかな~?」 「ああ、そうだとも!  お前の才能は他の凡人とは違う!  野に埋もらせて置くには惜しすぎる!」 やっぱり観る人が観ると判るもんなのよね~。 「いや~、大したこと無いって~!」 「謙遜は不要だ!  この前の一件で、  お前の実力を目の当たりにしたのだからな!  さぁ・・・、我が手を取るが良い。」 守屋は右手を差し出してきた。 そうよね~、頑張ったもんな私~。 実力って隠しきれないもんなのよね~。 私の右手が自然と守屋の右手に向かって行く。 ハッ!ダメダメダメ!喜んじゃダメよ詩夜璃! すんでのところで私の左手は私の右手を捕らえた! 「危ない危ない!  もうちょっとで騙されるとこだった。」 守屋鏡司・・・、恐ろしいヤツね! 「チッ!」 守屋が舌打ちする。 「ハイハイ、ありがとありがと、じゃあね!」 今度こそ無視して帰ろうとして振り向いた時、 目の前のパチンコ屋から出て来た、 ジャージ姿の女性と目が合った。 「おう、九条!何だ守屋とデートか?」  誰だっけ、この人? それに守屋も知ってるようだ・・・。 私は守屋に聴こうと思い振り返ると・・・。 すでに守屋は逃げ出す態勢に入ってた。 「待てコラア~ッ!」 その人はダッシュして来て守屋を捕まえる! 「アタシに挨拶無しで逃げる気か!  良い度胸してんな守屋~!」 その人は守屋の髪を掴んで引き寄せ、 そのまま守屋の頭を腕で締め上げる! 「先生・・・、違いますよ~!」 先生・・・、あっ! 「もしかして・・・、太刀川弁護士?」 「何だ、今頃気付いたのか九条?」 「だって前はスーツで、  ビシッと決めてたじゃないですか~。  ジャージですもん判りませんよ~!」 「あ、それもそうだな、ハハハッ!」 「そうですよ~、ウフフフッ!」 「世間話の前に~!  ・・・ヘッドロック外して下さいよ~!」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加