緊急幹部会議

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「ではアドニスよ!  佐和田の行動パターンを知りたい。  佐和田の乗車駅と乗車時間の調査を頼む!」 「判りました、聴いてみます。」 正人はそう言ってスマホを操作しだした。 「ではアイリーンよ!  太刀川に連絡して被告人の名前を聞き出せ!」 「その面倒くさい名前で呼ぶな!  ちゃんと本名で呼べ!」 「解った、・・・詩夜璃。」 いきなり低いトーンで、 名前を呼び捨てにされてドキッとした! 「へ・・・、変な声出すな!  そ、それに普通は名字で呼ぶもんでしょ!」 守屋がしてやったりとでも言いたげに、 ニヤリと笑っている・・・、 なんて憎たらしい顔なのだろうか! 「あ~、シーちゃん照れてる~!」 「う・・・、うっさい摩子!」 「あ~ん!  シーちゃんが怒った~!」 「お~ヨシヨシ!可哀想に~。  図星つかれて怒っちゃったのね~。」 そう言いながら、 泣き真似をする摩子の頭を撫でる先輩・・・。 これ以上茶化されてたまるか! 二人の小芝居を横目に、 太刀川弁護士にメールをする私・・・。 返信はすぐに来た。 『クライアントは沢渡千世さんだよ~( *・ω・)』 ・・・顔文字の意味が判らん。 しかし問題は他にも有った・・・。 「これ・・・、サワタリチヨさんって読むのかな?」 私は守屋にスマホを見せながら問いかけた。 「う・・・、男だからチトセとでも読むのか?  ま、まぁ・・・、名字だけで事足りるからな!  沢渡氏で良いだろう。」 「あ、鏡司さ~ん、判りました~!  佐和田さんは永豪住みみたいですね。」 正人が守屋の隣に来てそう言った・・・。 永豪とは有鐘の隣の市である。 「永豪駅から朝6時半頃の電車で、  犀北駅まで通ってるみたいですね。」 正人が申し訳なさそうに言う。 「永豪駅に朝6時半だと・・・。  護蓮寺駅から4、50分かかるはずだ・・・。」 守屋が絶句する・・・。 「何で、そんなに早起きなのよ!」 先輩がキレる。 「って事は・・・、  朝5時半には護蓮寺駅から出ないと・・・。」 私はそんなに早く起きたくない。 「えっとね~、時刻表調べたら、  永豪行くの5時25分のが有るね。」 凛斗が他人事のように言う。 「そんな早く起きれないよ~!」 摩子もキレる。 「ただいま~。」 買い物袋を下げて土門が帰って来る。 「・・・皆どうした?  お通夜みたいな顔してんぞ。」
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