緊急幹部会議

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「判りました。  じゃあ早速今から会って渡して来ますね。」 正人はそう言って先輩からネックレスを受け取る。 「いや、アドニスよ、今日で無くても良いぞ。  作戦は下校時に行う事にするからな。  今の情報によれば登校時は、  座れる程すいているようだからな。  ・・・下校時のみ狙えば良いだろう。」 「さんせ~い!  早起き出来ないからそれが良いよ~!」 「そうよね・・・、  朝も行って目立つ事になるのは避けたいわね。」 私も出来るならば早起きしたくないのでそう言った。 「後は鏡司君と龍成君も、  高級腕時計とかした方が良いわね。  お金持ちと思わせた方が、  ターゲットになりやすいからね。」 「ウンディーネよ・・・、  我々がそんな物を持ってると思うのか?」 「判ったわ・・・。  ツテが有るから借りてきてあげるわ。」 そんなツテが有るとは・・・。 先輩って・・・、結構顔が広いんだな~。 「あ、そんならさ~。  鏡司にスーツとか眼鏡掛けさせてさ、  なるべく鏡司が選ばれるようにしてくれないかな?  俺が痴漢にされると上手く喋れないとか、  色々と面倒な事になりそうだしさ~。」 土門の提案に・・・、 「そうだな・・・、  俺が痴漢に選ばれ易くする方が良いな。  オタクっぽい扮装で隣に立ってれば、  佐和田もどっちが楽そうか考えるだろう。」 守屋も賛成のようだ。 「後は下校時刻をどうやって把握するかね・・・。  下校時刻なんていつも同じとは限らないしね。」 私はそう言って考え込んだ・・・。 私達が犀高前で張り込むのは目立つし、 愛美ちゃんとやらを、 アテにするわけにも行かないし・・・。 「それはタナトスに犀高前で張り込ませる事にする。」 守屋は凛斗の方を向きそう言った。 「え~~~!」 凛斗はあからさまに拒否反応を示す。 「甘えは許さん!  それぐらいはしてもらう。  多少は人混みに慣れろ!」 守屋は厳しめに言った。 「・・・解った。」 凛斗はうなだれて答えた。 「んじゃ鏡司。  俺は夕飯の仕込みに入るからな。」 土門はそう言って台所へ行こうとした。 「あ、私も手伝おうか?」 私がそう言うと。 「いや、今日はお客さんなんだから、  座って待っててくれよ。」 と言って土門は台所へ入っていった。 この時すでに私の頭の中では、 退会すると言う意思は消えていた。
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