判決の日

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「・・・あ、  要ります要ります!  まさか用意してるとは思って無かったんで。」 我を取り戻した守屋は、 慌てて封筒を受け取り中身を確認している。 「アタシは約束は守る方なんだよ。」 「20万円確かに頂きました。  ・・・領収書は出しませんよ。」 「要らねえよ~。  これから佐和田と三反田んとこ行って、  損害賠償とか話さなきゃなんねえからな。」 そう言ってニヤニヤしている太刀川弁護士。 この人が損害賠償請求するのか・・・。 何だかあの二人が可哀想になって、 「あの二人も可哀想よね~。  損害賠償取られた挙げ句に、  虚偽告訴で起訴されちゃうんだから。」 と言ったら。 「まぁ自業自得と言う奴だ・・・。  退学になろうが、  少年院送致になろうが、  俺達が気に病む事では無い。」 守屋が至極もっともな事を言う。 「まぁ、キッチリ賠償金払ってくれりゃ。  コッチからは虚偽告訴で訴える事は無いからな。  検察サイドが黙ってりゃそこで話は終わりだ。」 太刀川弁護士がそう答える。 「恥を掻かされた検察サイドが、  このまま黙ってますかね?」 守屋がそう尋ねると、 「そうなったらそうなったで、  アタシの知ったこっちゃ無いよ。」 太刀川弁護士は、 切り捨てるように言った。 「えっ?  退学とか少年院とかって、  あの子達捕まっちゃうの?  何で~?  正直に嘘ついてましたって、  反省文書いたのに~!  可哀想だよ~!  何とかしてあげてよシーちゃん!」 私達の会話を聴いていた摩子が、 抗議の意を示してきた。 「その、  嘘ついて逮捕までさせちゃった!  って言うのが問題なの。  それに検察サイドが起訴してきたらって、  条件付きだからね。」 「でも~、  その検索サイトが競っちゃうと、」 「検察サイドが起訴ね。」 「ちょっと間違っただけだよ~。」 「意味が全然変わってくるから。」 「フフフフフッ、間違ったか~!  そうだよな~、  間違っただけなんだよな~!  ハハハハハッ!」 何故か大ウケしてる太刀川弁護士。 「チビッ子~、  あの二人の事はアタシに任せとけ!」 「チビッ子じゃ無いです~。  あっ、そうだ!」
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