4月24日(日)午前11時36分

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太刀川弁護士はヘッドロックを外して、 「守屋は判ってて逃げたって事だな?」 と守屋の顔を覗き込んで言った。 「違いますよ!昼間っから、  ジャージ姿でパチンコ屋から出てくる女なんて、  ヤバ過ぎるからですよ!」 「小遣い稼ぎしてたんだよ!」 「パチンコで?」 「そうだよ!」 「勝ったんですか?」 私が自然な会話の流れで聴いてみた。 「36000負けた・・・。」 えっ!パチンコってそんなにお金使うんですか! ・・・勿体無い。 「稼げて無いじゃないですか!」 守屋が鋭く指摘した。 「しょ~がねえだろ、当たんないんだから!」 「止めた方が良いですよパチンコなんて・・・。」 私はそんなにお金使うのは、 勿体無いですよという思いから忠告した。 「バカだな九条。  今止めたら負けが確定しちまうだろ?  ギャンブルってのはな、  止めるまで勝負は続くんだ。  つまり・・・、まだ負けてねえんだよ!」 ギャンブル依存症の人って・・・。 こういう思考回路に成っちゃうのね・・・。 「ここで会ったのも何かの縁だ。  昼飯オゴってやるから付き合えよ。」 「え・・・、遠慮します・・・。」 私の中の野生の部分が、 危険を察知している・・・! 「右に同じで・・・。」 恐らく守屋もそうなんだろう・・・。 「そっか!デート中だもんな邪魔したな!」 「それ事実誤認ですから!」 「それ事実誤認です!」 ・・・同時に否定するとは。 「デートじゃ無けりゃ~、付き合えよ!」
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