4月24日(日)午前11時36分

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「実際他人事だもんね~。  本心じゃ死刑に成っても構わねえし。  検察がどの罪状で起訴してくっか判んねえし。  出来る事なんて起訴される前に、  被害者と示談済ましとく事だけだもんね。」 弁護士がこんな事言ってて良いの? この前依頼人の利益がどうこう言ってた口で、 こんな事言っちゃってるし・・・。 「お待たせ~、唐揚げは?」 「おばちゃんアタシ~。」 太刀川弁護士は子供のように手を挙げた。 そう言えば太刀川弁護士は有大出身だった。 昔からの常連なのかも? 「はい、カレーとラーメンお待たせ~。」 「ラーメン私です。」 ラーメンセットが私の前に置かれ、 カレーが守屋の前に置かれた。 「いただきま~す!」 「いただきます。」 そう言って私達は手を合わせ食べ始める。 守屋はものすごい勢いでカレーを食べ始めた! まさに掻き込んでいると言う表現がピッタリ! 私はラーメンを食べながらも、 その光景に目を奪われていた・・・。 「御馳走様でした。」 守屋は手を合わせて言った。 早っ! 私はまだ半分も食べていないのに・・・。 「さて・・・、先生。  そろそろ本題に入って頂けますか?」 どうやら生け贄の守屋は覚悟を決めたようだ。 「流石は聡明な守屋君だね~!  話が早くてお姉さん助かっちゃう~!」 可愛く言ってるのが逆に怖い・・・。 「アタシのお願い聴いてくれるの~、  守屋君ぐらいしか居なくって~、  お姉さん困っちゃってたの~!」 「可愛く言っても、  出来ない事は出来ませんからね!」 守屋は予防線を張った。 「大丈夫!大丈夫!  すんごく簡単な事だからさ~!」 「それで・・・、お願いとは?」 恐る恐る守屋が尋ねた・・・。 「ホントに簡単な事なのよ~。  『一ヶ月前護永線で痴漢したのは僕です!』  って自首してくれるだけで良いから~!」 「ゴホッ!」 思わずむせる! 全然簡単じゃねえ~! 「はぁ?」 あまりにも突飛過ぎるお願いに、 守屋もフリーズしている・・・。 「実は~、前から受任してた案件なんだけど~、  どうも有罪判決になりそうなんだ~。  だ・か・ら!守屋君に~、  真犯人として名乗りでて欲しいの~!」 「ダメダメダメ!ダメですよ!  そんなの出来るわけ無いでしょうが!」 守屋は断固拒否の構えを見せる。 「痴漢なんて罰金で済んじゃうんだからさ~!  協力してよ~!」
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