4月24日(日)午前11時36分

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「お前・・・、何で?」 「先生、この女が被害者ですね!」 「オイ!  お前らも知ってるだろうが、  守秘義務ってもんが有んだよ。  例え、それが、被害者だったとしても、  ハイそうですよ~!なんて言えないんだよ。」 その言葉を受けて守屋はスマホを引っ込め操作し、 もう一度太刀川弁護士に見せた。 「・・・違う。」 太刀川弁護士はそう答える。 さらに守屋はスマホを操作し見せる。 「・・・違う。」 痴漢事件なのだから、 プライバシー保護の観点から、 守秘義務はかなり厳しいはずだ。 太刀川弁護士は絶対答えないだろう。 しかし守屋は再度同じ事をした! 「だから、守秘義務が有るって言ったろ?  例え、それが、目撃者だったとしても、  ハイそうですよ~!なんて言えないんだよ!」 腐っても弁護士と言う事か・・・。 流石の太刀川弁護士でも・・・、 守秘義務違反は出来ないようだ。 「なるほど・・・、判りました。」 守屋は諦めたのか、 そう言ってスマホをポケットに仕舞い込む。 「それでは先生・・・、  真犯人役は嫌ですが、  痴漢事件が冤罪で有る事を、  証明して見せましょう・・・。  但し!  報酬は20万円頂きます!」 と、とんでもない事を言い出した~! 「ほ~・・・、  アタシに向かってそんな啖呵切るとはな、  ・・・何か企んでんのか?  面白れえ・・・、  そんなら一つやってもらおうじゃねえか!  但し!  失敗したら真犯人役プラス、  アタシのパチンコの負けと今日の昼飯代、  合わせて85700円払ってもらうからな~!」 は・・・85700円! うわぁ~、負け過ぎですよ先生! 「さっき36000円って言ってたじゃないですか!」  守屋が反論する。 そうだった・・・、 さっきは36000円と言ってた。 「今月のトータルだよ!  それとも・・・、自信無いか?」 「上等ですよ!受けて立ちます!  絶対にギャフンって言わせてやる~!」 「ヨシ!期限は一週間だ!  遅くても来週の月曜までな!  それ以降だと時間的に無理だからな!  ・・・それまでにやってみせな~!」 「解りました!  ちゃんと払って貰いますからね~!  覚悟しといて下さいよ!」 「そりゃ、コッチのセリフだ!」 「では、今日はこれで失礼します!  準備が出来たら連絡しますんで・・・。  では、御馳走様でした。」 守屋は一礼して店の外へ出て行った。
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