confessions

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 「あれから…20年…かぁ……。」   ケンジが、ぼそっと呟く。   この日、友人のケンジとエミが私の家を訪れ   ていた。  「シンゴの墓参り………、この日が来ると…   お前、毎回おかしくなるよな……。酒飲めな   い奴なのに…浴びるように飲むし……。気持ち   は分からなくはないよ…俺だって…お前と   同じだ……。アイツが生きていてくれたら…   って…。」   ケンジは涙を拭った。  「ちょっと……、もう…止めた方がいいって…。   ねぇ…聞いてるマーくんっ!」   エミが、飲めない私を気遣って言った。  「…ありがとう…エミ…。でも…でもなっ、飲ま   ずにはいられねぇんだよっ!! 20年経っ   たって…30年経ったって同じだっ! いつ   まで経っても俺の中の…罪の意識が消える   事はないっ!! 俺が全部悪いんだ……、   シンゴを…シンゴを死なせてしまったのは…   この俺だっ……。」   私は酔っぱらった勢いで、胸の内に秘めて   あった ”切ない思い” をぶちまけてしまっ   た。  「どうしたんだよっ…突然っ!? お前が死な   せた…って、一体どう言う事だよっ……!?」   エミとケンジは、少し息が荒くなっていた。   その時、もう後には牽けないと思った。  「…シンゴさぁ……小学生の時、俺と同じサッ   カークラブ入ってたじゃん………   俺は…人より割りと成長期が早かったから、   体格がデカい方だったけど…、シンゴは   その逆で…小学校三年生に間違われるほど   小柄な体格だっただろ……、   フィジカル的な事だと思うんだけど…クラブ   の監督は “勝ち” にこだわるせいか、   当たり負けしそうなシンゴをスタメンに   入れる事はなかったんだ…。   技術的な面で言えば、シンゴは俺よりも   確実に上を行ってたハズなのに…。   その証拠に…、シンゴは暇さえあれば近くの   田吉神社でサッカーボールを蹴ってた…。   一緒にクラブに入って……   ただ…小柄だ…ってだけで……。   何か俺…すごく不公平だな…って、その時   思ってた……。   
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