1人が本棚に入れています
本棚に追加
私には消防士の友人がいる。
彼は私と小学校からの同級生で、小中と同じサッカー部に所属していた仲だ。
地元の同窓会で顔をあわせてからというもの、たまにタイミングがあえば一緒に走り、暗い海を眺めながらお互いの仕事の愚痴を披露するのが習慣となっているのだが、時折そんな愚痴のなかでもどうにも辻褄のあわない奇妙な話があり、それを二人で解釈するのが楽しみのひとつになっている。
ところで、いきなりだがあなたは『社会死』という言葉を知っているだろうか。
それは社会的に死んだとされる人間のことを指す。
誰がそれを決めるのか。
それは警察官ではない。
警察官は『死体』が生きていると信じて疑わない。
少なくとも通報を受けて、中の人が死んでいるなどとは考えはしても、決して口にはしない。
どういうことか。
最初のコメントを投稿しよう!