仲間の歩み

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仲間の歩み

会議室に全員が集まると、ユラ-カグナが口を開いた。 「さて、まず確認したいことがある。ユーイ、国もとには木の種類についても知らせたのか?」 ユーイは頷いた。 「こちらで話し合ったことはすべて伝えました。ですが、文字で見るのと言葉で伝えるのとでは違う。説得してみせます」 ユラ-カグナは頷いた。 「ああ、頼む。ウォルト、ジャグラ、ウォーターループ、マチカンはもちろん、ペギニー、スラスト、ヒクリ、タラン、ヘイリクス、フロレスタについても、それ以外の木についても、ボルファルカルトル国での価値の低さ、そして、カザフィス国でなぜ必要なのか、改めてまとめた。カザフィス国での価値が、ボルファルカルトル国の輸出品の価値を下げることにはならない点などだ。ユーイ自身が調べて、確認してくれ」 「分かりました」 「灯石類がそれらに見合うかは、国民の判断だ。こちらに出来ることは、灯石類を知ってもらう。そして、一連の取り組みについて知ってもらうことだと思っている。それでひとつ考えたんだが、噂から流そうと思う」 「噂?」 ユーイが聞き返した。 ユラ-カグナは頷き、ひとりひとりの顔を見て、言った。 「ヴァッサリカ国につてがある。そちらから、噂を広めてもらう。灯石類の価値、カザフィス国の緑化、そして何より、ボルファルカルトル国の可能性」 大陸東にある小国、ヴァッサリカ公国は、その特異な国柄から、多くの国への影響力が期待されるのだ。 「一応、可能だという返信はあったので、詳細を話し合うつもりだ。異論はあるか」 ユーイが戸惑いの声を上げた。 「その…ヴァッサリカ国が我が国で、どれほどの力を持っているのでしょう…」 それは恐ろしい話でもあった。 ユラ-カグナは、ゆっくりと首を横に振り、安心させるように柔らかな声音で言った。 「ヴァッサリカ国は、血族で繋がる国だ。彼らが持つのは力ではなく繋がり。国民を扇動しようというのではない。議会が承認するまで知られないであろう事柄を、あらかじめ正しく知らせたい」 それにより、国民は良くも悪くも動くかもしれない。 「賭けと、言えるな。どう思う」 ユーイは懸命に考えた。 国民はどう動くだろうか? その横で、ジョージイが口を開いた。
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