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「ええ、そのように」
「それから、カザフィス国との国境についてだが、木を植える場所をカザフィス国寄りに1サンガ空けたらどうかと思う。ジエナ、どうだ?」
「ああ、それで国土が減るわけではないし、見通しがきくのは助かる。何よりそれで、国境線がはっきりするだろう」
ユラ-カグナが頷きながら言った。
「そして、大火の延焼を食い止めることができたらと思う。少なくとも、恐怖心は減じるだろう。ほかにも、カザフィス国には青水石もあるので、あらかじめ術を掛けておくことが可能だ。ジエナ、そのように対処できるか」
「ああ。術者にも心当たりがある」
ユーイが慎重に口を開いた。
「その、青水石がカザフィス国にあることは、知られても構わないのですか?」
ジエナがユーイを見て、言った。
「そうだな、知らせる者を限定できるならそうしてくれ。だが、知られても構わない。兵の配備は済んでいるからね」
ユラ-カグナが言った。
「こんなところだ。ひとまずこれで進めてみよう。いいか」
皆が頷き、ユラ-カグナは言った。
「では、会議はここまでとする。皆、それぞれで成果が出ることを願っている」
アルシュファイド王国、カザフィス王国、ボルファルカルトル国の3国での取引は、まだ始まっていない。
それを実現するために集まった仲間たちは、その共通の目的に向けて、歩き出した。
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