政王の胸中

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政王の胸中

会議室から政王執務室に戻ったアークたちを、ルークが迎えた。 アークが執務机に収まるのを待って、ルークは口を開いた。 「アーク、シィン、ユラ-カグナ、僕、動くよ」 するとアークは、目を(しばたた)かせた。 ルークは言葉を重ねた。 「ミナに言われたんだ。力の制御が出来るようになったら、彩石の必要なく、悪事を働く人が出てくるって。それに対処するには、律法部や騎士たちに、効果的な術語を行き渡らせることが必要だって。そのためには、術語の開発や見直しが必要だ。それをするのは、僕の仕事だと思う」 最初に反応したのはユラ-カグナだった。 「祭王の名で事業を始めるんだな…異能開発…いや、異能統制事業、というところか…」 異能統制…異能の使用法をひとつにまとめて、治める。 シィンが言った。 「つまり、今の試験的なやり方ではなく、異能の制御から使い方まで、お前の名で、定める、のか」 「そうだよ」 アークは視線を伏せて、それから顔を上げ、ルークを見た。 「分かった。現在やっている異能制御関係の仕事を、ルークに引き継ぐ」 ルークはにっこり笑った。 「うん!」 ユラ-カグナが言った。 「律法部や騎士だけでなく、国民全員に、術語まで行き渡らせることになるぞ」 ルークは、そこまで考えていなかったので、目を見張ったが、ユラ-カグナを見てしっかりと頷いた。 「そこまでがすべきことなら、やるよ」 「お前の代だけでは終わらないかもしれない」 ルークはもう一度頷いた。 「なら、僕から始める」 ユラ-カグナは頷いた。 「分かった、そのように仕事を回そう。シィン」 シィンも頷いた。 「補佐する」 「では俺が計画を立てる。ルークは、何をどこまで誰に知らせるのか、決めてくれ」 ルークは頷き、首を傾けた。 「でもそれ、すぐには決められないよ?まず今ある術語の見直しをしなくちゃいけないし」 ユラ-カグナは頷いて言った。 「分かっている。すぐには求めていない。ただ、決まらないと話の進めようもないから早くな。まず、それを手伝う人員を選ばなければならない。テオに言って、専任の部署を作らせ、新たに人を雇わせよう。それを命じる書類作成が第一の仕事だ。命令書の作成はシィン、手伝ってくれ」 「分かった。ルーク、こっちだ」 そうしてシィンはルークを連れて、隣の彩石騎士居室へと入った。 「大丈夫か」
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