枯れない花

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枯れない花

合宿を終えて戻って来た賢一はスーツ ケースを置くとふうっと息を吐いた。十日 間の合宿中は剣道のことばかり考えていた。 選手一人ひとりをどう伸ばすのか、怪我の ない身体作りに何が必要か、指導者間で どのように役割を分担するのか等々。 選手の動きをじっくり見て、監督を中心と した指導者ミーティングで毎夜意見を交わ した。云わば前線で戦闘モードに入って いたのである。 解散後はいつもの顔を取り戻そうと 意識的に休憩を多く入れながら高速道路を 走ったが、まだ戦闘モードが抜けていない 気がする。 「ただいま。」
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