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「美山さん、何を聞きたいんです、どうぞ仰ってください」
「雪斗、やめろって…ほら行こう、暗くなる前に帰れなくなるぞ」
「そんな事どうでもいい、これはテレビのネタにする様な話じゃないでしょう、聞きたい事があるなら直接私に聞いてください、迂回されると面倒です」
「いや、お急ぎならいいんです、別に待ち伏せしてた訳じゃない、社長の仰る通りせっかくの楽しいイベントに水を差すようなネタは必要ないんです」
必死で庇う佐鳥には申し訳ないが益々興味が湧いてしまった、何も苦労して調べなくてももう少し話を聞けば色々聞けそうだが、都合のいい情報だけを与えられ誤誘導されるのは避けたかった
ただの小僧だと思っていた雪斗はどうやら一筋縄では行きそうもない
その上、このままでは酷くデリケートなプライベートを踏み荒らすだけになってしまう
そんなつもりは毛頭なかった
「今日は帰ります、こんな所までお邪魔してすいませんでした、イベントの本番当日までよろしくお願いします」
「遠慮なさらなくても俺は何でも答えますよ、聞きたいのはTOWAの事ですか?それとも事故の事ですか?父がどうやってしんだか、母が……」
「やめろよ雪斗…美山さん、頼むから止めてください」
「………帰ります……お邪魔しました」
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