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「薬屋の仕事は大変なのです。あまり、仕事を増やさないで下さい」
「そ、そんなつもりはなかったんだけど……私も、ペイトお兄ちゃんの為に、何が協力したかっただけなの」
ペイトお兄ちゃんと呼ばれる男性の後を、付いていく女の子は、しょんぼりと、獣耳と尻尾を下げながら落ち込んでる。
「無理に手伝う必要はないと、前から言ってるでしょ? 貴方には、あなたの出来ることから始めて下さいと……、
ゆっくりで良いのです。出来ることからね」
困ったように、付け鼻の眼鏡を外して、相手に優しく微笑みながら、また、眼鏡を付けた。
「はーい」
優しい相手に、素直に返事を返しながら、彼の素顔は、顔立ちもスラッと整っており、綺麗な緑色と青色の混ざったグラデーションのかかった眼で、毛並みもサラサラ……というよりかは、髪の毛も綺麗なサラサラ銀髪。凄く魅了的で良いのに、すぐに隠したのだ。
ダサイ眼鏡をずっと外さずにいるので、貴重なペイトの素顔を反省をしつつも、チッと思っていた。
相手は、引っ込み思案なので、このペイトの事を知ってるのは、店で働いてる自分だけなので、ちょっとした優越感がないわけでもなかった。
「今度は成功するから」
「いえ、やめてください」
やだー! 駄目です。ケチケチ! 駄目だと、言ったら駄目と、言い争いをする二人が会話していると、ガランカランッと音が聞こえた。
扉が開く音だと気付き、二人は急いで、軽く身支度をすると、駆け足で店に来た御客さんのもとへと、向かった。
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