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「 ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・」
まだ、
啓介さんの意識は戻らない・・・。
何でこんなことに、
啓介さんまで、
事件に巻き込んでしまった。
どうして?
私にそんなに優しくしてくれるの。
私のせいで・・・
こんなことに巻き込んでしまった。
「 コンコン 」
病室の扉が開き、
一人の女性が入って来た。
すずの母親だった。
「 すず。。。」
「 お母さん!」
その表情に安心したすずは、
先程までの張り詰めた緊張感から
時離れたのか、
沢山の涙を流し始めた。
「 すず・・・。 」
すずは母親に、全てを話した。
バイト帰りに、レイトショーの映画を
見るとは聞いていたが、
まさか、帰りにこんなことに巻き込まれるとは、
思ってもいなかった。
「 こちらの方が、助けくださったの。 」
「 うん。でも、まだ意識が戻らなくて・・・。」
母親が、啓介の顔を覗き込もうとした瞬間、
室内へノックもせず、
一人の刑事が入ってきた。
「 お取り込みの所申し訳ない。
保護者の方ですか?」
「 あっ、はい。この子の母親です。」
「 良かった。
実は、管内で別の事件が発生しまして、
応援に向かう為、こちらを出なくてはならなくて・・・。」
「 お母様大変申し訳ないのですが、
外で少しお話をお聞きかせ頂いて、
その後、お譲様をお願いいたします。」
「 随分とご心配されておられるようですが、
時間も時間ですし、
こちらは病院ですので、後はお医者様にお任せされて、
一旦お帰り頂いた方が良いかと。」
「 あっ、わかりました。」
「 では、こちらへ。」
すずの母親は、刑事と一緒に病室の外へと出て行った。
すずは、啓介の意識が戻るまで、
病院に残りたい意向を、刑事に伝えていたが、
未成年となる故、対応に困り果てていた。
保護者到着により、帰宅する様に促した様子だった。
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