満開

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生徒達は放課後、細い針金に花びらを絡めてサクラの花を作り上げ、 前日の夜に、直ぐ取付が出来る様な加工を施していた。 「 手元で見ていると、物凄く歪だけど、 離れてみると凄い!本物見たいだね。」 「 そうでしょ。針金で上手く立体感が出てるからだよ。」 「 喜んでくれるといいね。」 「 きっと、癌も治るよ。」 「 うん。」 任意のボランティアだったが、気が付くとクラスの全員が参加していた。 「 3年生達が、大きな垂れ幕作ってくれたよ。」 「 1年生達も、はりがね桜花完成したって。」 何とか下準備は揃った状態で、 明日を迎える事となったのだが・・・。 「 ああー。」 「 明日、雨だぞ。くそーっ。」 一樹は携帯で、最新の天気予報を見ていた。 「 何とか朝だけでも持ってくれればいいのに、 そうだ!  ジャンジャンジャン。できたぁ!」 「 なに作ってるの。」 「 てるてる坊主だぁ。」 「 なにその変な顔。うふふっ。」 「 なんか、一樹に似てるな。」 「 おい、啓ちゃん。」 「 わぁっ。本当だ。」 「 えーっ。恭子ちゃんまで・・・。」 楽しい時間、忘れられない瞬間になった。 サクラ爺ちゃん、喜んでくれるかな・・・。 そんな、想いで 学生たちが一つになった瞬間だった。
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