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22時過ぎ頃、少し気になったので、
啓介はバルコニーの窓を開け、正門の方を覗きこんだ。
「 わぁ。。。 」
見事なものだった、
まだ、サクラの木の上部だけだったが、
先生達が梯子を使い満開のサクラの花を
再現していた。
本当にすごかった。
まるで本物のサクラを見ているようだった。
いや、もう本物だよ。
きっと、サクラお爺ちゃんは喜んでくれるはずだ。
翌朝6時集合で、木の低い部分を仕上げ始めた。
薄暗い雲行きのあやしい中、
7時半には、見事満開のさくらの木が出来上がった。
「 うわぁぁぁ!」
携わった者たちの、大きな歓声が響き渡った。
「 何とか、一樹てるてるさんのお陰で、
雨にあう事無く、完成させることが出来たね。」
「 だろう。恭子ちゃんの望みなら、
いつでも作ってあげるよ。」
「 ・・・・・・ 」
「 うん。ありがとう。」
「 何?」
「 今の間って、何? 」
「 どんまい一樹!」
啓介は察したように、一樹の背中をたたいた。
「 何? どんまいって何? ・・・。」
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