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「 サクラお爺さん!ありがとう!! 」
垂れ幕には、お爺ちゃんでも良く見える、
大きな感謝の言葉が書かれていた。
「 パチッ 」
「 パチッ パチッ 」
「 パチパチパチパチッ・・・」
何処からともなく、
生徒達の叩く拍手の音が、
辺りへと響き渡る中、
演劇部と美術部の代表が、
桜の花束を掲げ、
お爺さんのもとへ近づき、
一言告げた。
「 お爺ちゃん、サクラが呼んどるぞ!
一緒に写真とりましょう。」
「 はっははっはぁ。」
お爺さんは一本取られたかの様に、
満面の笑みで、
大粒の涙をこぼしていた。
「 困ったのう。
外でも、雨が降りよるわい。」
「 ありがとう。。。
本当に・・・ありがとう。。。」
深々と娘夫婦は頭を下げて、
お爺さんは最後の地へと旅立っていった・・・。
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