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私は、以前はこう思っていた。
つまり、もともと私には霊感と呼べるような能力というのは、まったく備わっていないのだと。
それまでの私はすべての心霊現象は迷信に過ぎず、科学的に根拠のないデマや都市伝説的なものだと考えていたのだ。
今までに霊と呼べるような、例えば足の透けた人や白い着物を着た女性なんてものは見たことなかったし、かなしばりにはよく逢うけれども、それは疲れすぎているせいだと思っていた。
以前の私は霊の存在などまったく信じず、たまに心霊スポットを訪れて、写真を撮ったときにオーブや白い煙、稲妻や虹のような不思議な光をいくつも撮ったのだが、それはすべて、デジタルカメラの不具合のせいだと思っていた。
デジタルカメラを変えても、心霊写真と一般的に言われるような写真が以前よりもたくさん撮れたが、それも私のカメラの撮り方が悪いのだろうと、深く考えもせず結論づけていた。
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