小学生の頃の私。

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小学4年生から6年生まで私は飼育委員で、ニワトリの世話をする係をしていた。 当時は何故なのか誰にも打ち明けなかったが、そのニワトリ小屋で奇妙な体験をした。 3~4羽いるニワトリは賢くて大人しく、エサの準備と掃除をする間は小屋のすぐ側で待っていた。しっし、と外に出て追い払う動作をすれば、小屋にすぐさま戻ってくれた。 そんなニワトリたちが、この日は床の隅で1つに固まったまま出てこない。様子がおかしい。 仕方が無いので、そのまま掃除を始めた私は、ボロくずのようなモノがあちら、こちら、と落ちているのに気づく。 集めてみると12個あった。 ……ボロくずでは無く、スズメの死骸。 一度びしょ濡れになり乾いた後のようで、羽毛がよじれて苦痛を示すように体もねじれている。 首を一気にひねられ命を奪われたように見えた。 それらを確認した後に、私はスズメだったモノを全て持ち帰り、庭に埋めた。場所は今でも私以外は知らないはずだ。 以前に犬が侵入する事件があったとかで、ニワトリ小屋は床がコンクリート製で頑丈に作られていた。私が開けるまで、入り口は南京錠もかかっていた。 ケモノの仕業ならばスズメをただ殺す、という行動は不可解に思えるし。人間の仕業ならばスズメをまず、12羽も捕える事自体が難しいように感じる。 よく分からない不気味な出来事だった。
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