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「このコースは耐久力を見る為のコースだから、難しい処は無いです。私の友達はスピード狂で公道で走れない分ここで発散させるんですよ。本当に困ったものですね。」
岬は何と答えるべきか苦笑いをするしかなかった。
「雄大、珍しいな、お前が転がさないなんて。」
「ああ、岬を独りにはしたくない。独りにするとお前ら有ること無い事岬に話すからな。」
「有る事無い事って、俺達真実しか話さないじゃん!」
「それが怪しいんだ。岬ピットに見に行くか?」
何も出来ない岬は本上に着いて行った。
「わー、懐かしい。」
ピットに入ると岬は嬉しそうに車に近付く。
「やっと笑いましたね。」
本上は笑いながら岬の後に立つ。
「あっ、すいません。」
「謝る事無いです。やっぱり男の子ですね。」
「ええ、僕は余り運転はしませんが、この真剣な雰囲気は好きでした。」
「過去形ですか?」
「ええ、僕はエンジニアを外されましたから…」
岬は哀しそうに、車を観ていた。
「いつでもここにいらっしゃい。私が付いてればフリーパスですから、岬も遠慮などせずに、この雰囲気を感じたくなったら携帯に連絡して下さい。」
岬は哀しそうに、返事をした。
だけど、多分岬には連絡する勇気はなかった。
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