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エンジンをが気持ち良い。
車体の熱が岬の身体をも熱くする。
「岬、ここでしたか?」
本上が岬の後に立つ。
「あれは、普通の市販車に手を加えているんですよ。公道で走れるギリギリまで改造しているんですよ。」
「だからですか、あの音だと長時間は走れませんね。エンジン音がガブってます。」
岬は哀しそうに車に目を向けた。
「そういうもんですか?」
「そうですね、このコースだと二周目過ぎた辺りからスピードが墜ちますね。」
「そうですか、私には充分走れる感じがするのですが?」
本上は不思議そうに問い掛けた。
「あっ、すいません。何となくそう感じたもので…」
岬は呟くように答えた。
「否、エンジニアの岬がそう感じるのなら、何か有るのかも知れませんね。」
本上は笑いながら岬の身体を抱き寄せ
「もう少し車体に近付きますか?」
「いえ、ここで良いですから…」
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