再会

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「佐田君、本上様の事はどうなりました?」 鈴木係長に呼び止める。 「それは…」 岬は口ごもる。 「一度連絡してみたらどうですか。」 「ハァ。」 岬はまだ迷っていた。 テストコースでの失態が頭を過る。 名刺入れに入れたままの本上の名刺を見る。 深い溜め息が漏れた。 「どうしたんだ。」 先輩が岬に声を掛ける。 「いえ、本上様に連絡するべきですよね。」 「あっ、本上様って本上エンジニアのか?」 「いえ、本上様の個人的な車を探しているようで…」 「じゃあ、いつもと同じ感じで良いと思うけど。どうしても無理なら俺もホローするからやってみれば。」 先輩の言葉に押されるように携帯を取り出す。 迷ったが、本上のプライベートに電話した。 「佐田と申しますが、本上様の携帯でしょうか?」 (岬か、電話待ってましたよ。あの後大丈夫でしたか?) 「はい、その節はご心配お掛けして申し訳ありませんでした。それでですね、あの車ですが本上様の希望を聞きたいのですが、お時間頂きたいのです。」 (そうですね、ああ、今度の金曜の夜なら時間取れます。よろしいですか?) 「はい、僕の方は大丈夫ですから。では、また連絡します。」 岬は緊張を抜き、手帳に控える。
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