482人が本棚に入れています
本棚に追加
「佐田君、ちょっといいかな。」
係長の鈴木さんが声を掛けて来た。
「はい。」
岬には解っていた。まだ一件も契約を取って無い事だろう。
「今度の金曜に接待がある。いい機会だから、君も主席しなさい。」
決定事項だった。岬は余り、お酒が強くない。強くないと言うより、殆ど飲めないに近い。岬は困惑した。
「あの…鈴木係長、僕は…」
「接待も営業の内だよ。相手方は、御得意様だし、顔繋ぎに居るだけで構わないから。」
係長の言葉に逆らえなかった。
「阪井先輩は…」
「ああ、今回は私が行くから、阪井君は来ないよ。大丈夫ですから、私が上手く相手方に紹介しますから、佐田君は安心して下さい。」
もう断れない。
岬には不安しかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!