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「私も、愛してる」 俺が告白して、どれくらい時間がたったかは分からない。でも、最後はエミも俺に想いを伝えてくれた。本来は、もう思い残すこともないと、そう言って覚悟を決めるべきなのだろう。でも俺は、もう少しだけ、エミに頼みたいことがあった。 「・・・え・・・?」 俺がそれを言ったとき、エミは信じられないといった顔を見せた。 「最後の我がままだ。お前じゃないと、駄目なんだ」 「・・・」 「どうせ俺は、今言ったことも、今日の出来事も、忘れちまう。だから、お前が嫌なら、それでもいい。でも、俺は、お前の手で・・・」 「皆まで言わないで。分かったよ、安心して」 その顔は、聖女を思わせるほどに、柔らかく、優しかった。 ああ、走馬灯とはよく言ったものだ。 あの時の記憶が、鮮明と蘇る。俺は死ぬ間際の、時がゆっくりと圧縮されている中で、エミに頼んだ我がままを思い出していた。 そうか、エミ。聞いてくれたのか。あんな無茶な我がままを。 「お前の手で、俺を殺してくれないか」
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