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海よ。
数多の人間を呑みこんできた海よ。
俺は、お前では死ななかった。
最愛の人に撃たれて死んだ。
どうだ?
これで少しは、お前に反旗を翻したんじゃないか?
俺は崖からゆっくりと落ちていく。
ん?
何だ、泣くなよ。
いつもみたいに笑っていてくれよ。
エミが、まるで子供のように喚く泣き声を聞きながら、俺は落ちていく。
あ。
そうだ。
まだ忘れていたことがあった。
約束したんだった。
あの時、エミに告白した、あの時。
エミ。
俺との最後の約束、守ってくれるかな?
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