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びくっ、と体が止まる。
俺は反射的に後ろを振り向く。
「・・・エミ・・・」
ああ、そうだったな。
俺が、頼んだんだったな。
悪いな、エミ。無理をさせて。
「・・・ありがとな、エミ」
俺は笑った。嬉しかった。最後の逆転劇。恐らくは、生贄供養が始まってから初の、海への反旗。
それは、俺を通り越して海へと落ちた。
甲高い音を出して、俺の体に穴を開けた。
痛みは無かった。俺の体はゆっくりと、背中から傾いて行った。
エミの姿が徐々に視界から消え、空が広がっていく。
ああ、エミ。
お前に殺されることの、何と感慨深いことか。
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