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2幕~明智流奥義伝授~
父の口から出た『松平氏』は、この尾張の右隣にある三河国の武将である。
松平は、さらにその右隣にある駿河国を支配する大大名、今川氏に従属している。尾張に近い西三河に勢力を伸ばした織田家に対抗するためである。
そしてこたび、今川家に忠誠の証として送られるはずだった松平家の嫡男、6歳の竹千代が、驚くことに織田家に送られてきたのだという。
竹千代を護送していたのは、三河の武将、戸田康光。松平に従属している男だ。
護送の一同が道を間違えたのかと父に本気でたずねたが、もちろんそうではない。
康光はこう述べているという。
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