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そして時間は矢のように過ぎ、九月一日。
私は再びタイムカードの回収をしに仰天商事の事務室に向かった。
「また増産の時はさ、声かけるからさ」
鬼瓦さんの弱々しい愛想笑いにうなずき、タイムカードの束を受け取る。
20枚の小さな紙の束。ここに名前の載っているスタッフさんはもう散り散りになってしまった。
さみしい思いを抱えながら事務室を後にして、ふと思い立つ。
そういえばみんなロッカーとか下駄箱もキレイにして旅立ったんだよね!?
たまにいるのだ。ロッカーに大量の私物を残したまま辞めてしまうスタッフが。
私物ぐらいならかわいいが、まれに飲みかけのペットボトル飲料やらカビのはえたパンやら、開けるのが怖い謎のビニール袋など……。恐怖のお土産を置いて行くスタッフのせいで、私の車にはお掃除グッズ一式と割烹着が入っている。
不安だからロッカー見て来よう。
そう思って二階のロッカールームに立ち寄り、そこで感じた違和感。
「ん?あれ……?」
20人分のロッカーが現状維持で有る。中身も普通に着替えやお弁当が入っている。
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